入れ歯安定剤を使わない快適な入れ歯生活を送れるように!
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歯周病や虫歯で歯を抜くことになり
失ってしまった部分をそのままにしておくと
・隣の歯が倒れてくる
・上の歯が下に伸びてくる
・歯磨きがしにくくなり、他の歯の虫歯も進んでしまう
・噛む力が弱くなることで認知機能が低下するリスクが上がる
など悪影響がたくさん出てきてしまいます。
そのため
失った部分は、歯を補う治療が必要です。
部分的に失ったところには、部分入れ歯
全ての歯を失った場合には、総入れ歯
を作製します。
今回は入れ歯について詳しく説明して参ります。
入れ歯の仕組み
入れ歯は、
・床(しょう)と呼ばれる力を受け止める箇所
・歯の形をした人工歯
・留め金
から構成されます。
床だけでは、食事や会話をするたびに
入れ歯が外れてしまうので
安定させるために、残っている歯に留め金がかかるように
しなければなりません。
また
留め金は多いほど入れ歯は安定しますが、
取り外しが困難になるため
適切な位置に留め金を設計して作る必要があります。
入れ歯の種類
入れ歯には、保険適用の入れ歯と保険適用外の入れ歯があります。
もちろん、部分入れ歯と総入れ歯のどちらも保険適用での作製が可能です。
部分入れ歯では留め金に金属を必ず用います。
また、歯茎と接する床の部分に使用されるのは、レジン(プラスチック)です。
※レジン床と呼びます
このレジン床の入れ歯でも、食べ物をしっかりと噛むことができます。
人生初めての入れ歯は
まず保険の入れ歯で試していきたい
という方は多いかと思います。
そのような方には、レジン床の入れ歯を作製しております。
①保険の入れ歯の利点
・必要最低限の噛む機能が備わっている。
・安価で作ることができる。
②保険の入れ歯の欠点
・入れ歯に厚みを感じやすい。
・汚れやプラークがつきやすい
・傷がつきやすい
③入れ歯費用
入れ歯の値段は
補う歯の数やデザインにより大きく異なりますが
3割負担で5,000〜12,000円ほどかかります。
目立たない入れ歯「ノンクラスプデンチャー」(保険外診療)
ノンクラスプデンチャーは、
金属の留め金(クラスプ)がない入れ歯のことで
薄くて軽いことが特徴です。
保険の部分入れ歯の欠点である
留め金の見た目が気になる点などを解決します。
また、食べ物が歯と入れ歯との隙間に入り込みにくく、
衛生的で食事を楽しめます。
①ノンクラスプデンチャーの利点
・金属を使用しないので、金属アレルギーの方でも使用できる。
・軽くて薄い。(保険の入れ歯よりも薄さが約半分)
・保険の入れ歯に比べて隙間が少ないのでフィット感がよく
外れにくく、ガタつきが少ない。
・金属がないので、見た目がよい。
・無味・無臭・ノンアレルギー素材で高分子の
特殊な樹脂を使用しているので、アレルギーの心配もなく
曲げても折れにくい。
②ノンクラスプデンチャーの欠点
・残っている歯を失ったりすると、
作り直しが必要になる。
③入れ歯費用
入れ歯の値段は、設計により変わりますが、10〜12万円(税込)となります。
金属床の入れ歯(保険外診療)
金属床の入れ歯とは
口の粘膜と触れる床の部分に、金属を使用した入れ歯です。
金属床は床を薄くすることができるため、
レジン床の入れ歯の
「厚みが気になる」欠点を解消することができます。
また、金属の熱を通しやすい性質を利用することにより、食事の温度を伝えることができ、
食事をより楽しむことができます。
①金属床の入れ歯の利点
・金属を使用することにより、
壊れにくい丈夫な入れ歯で、長持ちする。
・食事の温度や味を実感しやすい。
・金属の厚みが約1mmと薄いため、
装着時の違和感が少ない。
②金属床の入れ歯の欠点
・保険適用でないため、値段が高い。
・金属性なので、金属アレルギーの方には使用できない。
③入れ歯料金表
値段は、設計や金属の種類
によって変わりますが、
コバルトクロム合金による作成 17万円(税込)
チタン合金による作成 20万円(税込)
となっております。
入れ歯の作成期間
入れ歯はすぐに完成するわけではなく、
作成には約3〜4週間の期間がかかりますのでご了承ください。
大事な工程を順々に行っていく必要があります。
①型採り
入れ歯は、歯の形や歯茎の形を模型に再現して
外で作ります。
そのため、アルジネート印象材もしくはシリコン印象材
という材料で、型採りを行う必要があります。
当院では、材料を手ではなく、機械で練ることで
より精密に作製をしております。
お口の中で固まるのには3分ほどかかります。
その間に動いたりすると容易に変形してしまい
できあがりの入れ歯が合わなくなります。
固まるまで約3分間は動かずにじっと我慢していただくように
なりますので、ご了承ください!
②噛み合わせの高さ(奥歯の入れ歯)
歯を失ってしまうと、当初の歯の高さから
気づかない間に、噛み合わせが低くなってしまいます。
奥歯を複数本失うと、その確率は高くなります。
噛み合わせが低くなると、
前歯同士がよく噛むようになって
負担がかかり
結果として前歯を失う原因にもなります。
また、顎関節にも負荷が大きくかかるようになるため、
・顎が開けにくくなった
・食事の度に顎が痛い
等の顎関節症の症状が出ることがあります。
そうならないために
元々の高さを再現できるよう調整していきます。
③仮合わせ
蝋に歯(人工歯)を並べて、入れ歯の高さを再現します。
お口の中で、歯の位置や高さ、話しにくさ
などないかチェックしていきます。
少しでも違和感があれば
蝋を溶かして修正することができます。
入れ歯が完成すると
大きな修正は難しくなるので
とても重要な工程と言えます。
④完成
完成した入れ歯を調整していきます。
噛み合わせの調整や、床が強く当たる部分の調整
を行います。
⑤調整
数日後に必ず来院していただき、
問題ないか点検します。
完成して終わりではないので、
しばらくは来院が必要になりますので
ご了承ください。
入れ歯作成直後の注意点
当院では、適合のよい入れ歯の作製を心がけております。
しかし、入れ歯は使用していると痛みが出ることがあります。
そのため、場合によっては
こまめに調整が必要な場合がありますので、ご了承ください。
入れ歯洗浄剤を使用しましょう!
入れ歯の手入れは以下のように行うことをおすすめしております。
①目に見える汚れは専用のブラシで落とす
入れ歯専用のブラシは、効率よく汚れを落とせます。
入れ歯の破損を防ぐために
水を張った洗面器等の上で
落とさないように注意して清掃しましょう。
また、入れ歯の表面が傷つかないように
歯磨き粉は使わず、空磨きを行いましょう!
②目に見えない汚れを入れ歯洗浄剤で取り除く
毎日入れ歯洗浄剤を使って除菌しましょう。
その際は、
150mLの水またはぬるま湯(40〜50 ℃)を使用しましょう。
入れ歯が変色したり変形したりするため
熱湯(60℃以上)には絶対に入れないでください。
③洗浄後は、水でよくすすぐ
入れ歯を常に清潔に保つために、
お手入れは必ず毎日1回は行いましょう。
入れ歯安定剤は使った方が良い?
部分入れ歯では、
留め金があるため、入れ歯は口の中で安定しています。
そのため、入れ歯安定剤は使わないようにしてください。
総入れ歯でも外れたりがなく、安定がいい場合は
使用する必要は全くありません。
歯茎がやせていて安定が難しい場合は、
少量の使用が効果的です。
入れ歯ケースに入れて保管
入れ歯を使用しない時に
・ティッシュにくるんでいた
・そのまま置きっぱなしにしていた
・流しの近くに置いていた
・ゴミ箱の近くに置いていた
等の理由で
ご家族が誤って捨ててしまうことがよくあります。
入れ歯を外した時や使用しない時は
必ず入れ歯ケースに入れて保管しましょう!
入れ歯がどうしても難しい方には…
入れ歯を何度調整しても、
どうしても違和感が強くて装着が難しい
という場合は、他の治療法をご提案させていただきます。
①インプラント
②ブリッジ
両隣の歯を削って型採りを行い、
作製した被せをセメントでくっつけます。
取り外ししなくてよい、という利点があります。
ただし、
保険診療においては、部位によって、金属が見えてしまうことが多いため
見た目が気になるという方は、事前にご相談ください!