歯周病は気づかぬうちに進行してしまう病気です
歯周病とは
歯周病は、歯の周りの組織の病気です。歯の周りには、歯肉、歯槽骨などがありますが、まず歯肉が炎症を起こして腫れ(歯肉炎)、歯と歯肉の間に歯周ポケットと呼ばれる隙間ができます。
それが深くなっていくと歯の土台となっている歯槽骨が破壊されて、最終的には歯が抜け落ちてしまうのです。日本人が歯を失う最大の原因が歯周病です。手遅れになる前に早めの治療と予防対策を行っていきましょう。
歯周病の原因となる細菌は?
お口の中には、歯周病を引き起こす原因となる細菌が存在していて、悪さをすることがわかっています。それを歯周病原性細菌(以下:歯周病菌)といいます。歯周病菌は、高校卒業あたりの頃に家族だったり近親者と唾液による感染をおこして、口の中に定着していきます。そして20歳代後半には、口腔細菌の集団(あつまり)ができあがります。 歯周病菌は、今わかっているもので約30種類存在していて、最も悪さをすると言われているのがポルフィロモナスジンジバリス菌、通称PG菌(ピージー)です。
PG菌の特徴は?
1.小中高生の口の中には存在しない
個人差はあるが、18歳以降に家族や近親者から唾液によって感染すると言われている。
2.唾液によって移る
はっきりとした経路は定かになっていないが、キスや食べ物についた唾液を介して感染すると言われている。
3.歯茎が健康な大人の半分以上の方に存在している
20代以上の多くの方が、発症の危険性を持っている。
4.鉄分から栄養を得て増殖する
歯茎に炎症があると、血液が豊富なので鉄分を供給しやすく、栄養をとって病原性を増していく。
5.酸素がある環境では生きていきない
酸素が届かない歯周ポケット(歯と歯茎の間のすき間)の中で繁殖する。
6.血糖値を悪くする
インスリンの働きを悪くして血糖値が下がりにくくなる。
7.アルツハイマー型認知症になりやすくする
脳内にゴミ(アミロイドβ)が溜まりやすくなり、認知機能が落ちてしまう。
8.心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくする
詳しいメカニズムはわかっていないが、動脈硬化を引き起こしやすくなる。
歯周病はどうやって発病するの?
歯周病菌に感染して、すぐに歯周病になってしまうわけではありません。
複数存在する危険因子(遺伝や生活習慣、喫煙など)をきっかけに体の免疫力とのバランスが崩れると、歯周病が発症します。発症の時期は個人差があります。初めに感染が起こった18歳頃から歯周病好発時期である中年期までの長い年月、歯周病菌は、発症の時期を見図らっています。
発病しないために重要なこと
- 歯周病菌の定着を防ぐ
- お口の中の環境を整える
- 早期に発見し、早期に歯周病治療を行う
歯周病の進行度別の症状
健康な状態
健康な状態の歯ぐきは、引き締まっており、キレイなピンク色をしています。
炎症を起こした状態
歯の周りに歯垢がたまり、歯ぐきに炎症を起こします。浅い歯周ポケットができ、歯ぐきも少し赤いです。
炎症が悪化した状態
歯周ポケットが深く、歯垢や歯石がたまります。歯ぐきから出血したり、膿みがでて、歯を支えている歯槽骨が溶け始めます。
重度の歯周病
歯肉には膿がたまり、歯を支える歯槽骨も溶けて、歯がグラつきます。放置していると最悪の場合、歯は抜け落ちてしまいます。
こんな症状はありませんか?
- 食事中に出血がある
- 歯を磨いている時に出血する
- 歯肉が腫れている
- 口臭がする
- 口の中がネバネバする
- 歯がぐらぐらする
- 食べ物が歯の間に挟まりやすい
- 歯肉がむずがゆい
- 歯茎が下がった気がする
- 歯が抜け落ちた
ひとつでも当てはまる方は当院にご相談ください。
歯周病治療の流れ
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Step01
歯周病の検査
まずは歯周ポケットの診査、レントゲン撮影、口腔内の写真撮影を行います。歯周病の原因は一人ひとり異なりますので、治療していく前に検査を行い、患者様に適した治療を行っていきます。
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Step02
歯垢の除去
歯周病の原因は歯垢(プラーク)なので、付きにくくすることが治療の基本となります。歯科衛生士による歯みがき指導で改善をはかります。軽度の歯周炎の方であれば、ここまでで治療が完了します。
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Step03
歯と歯肉の間の歯石除去
中~重度の歯周炎の場合、歯石が深くにあるため、取りきれません。この場合は、外科的治療が必要となります。 麻酔をしてから歯肉の切開を行い、歯と歯肉の間に溜まった歯石や歯垢を除去します。