歯周病菌って人から感染するの?!歯周病について詳しく知っておこう!
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日本人が歯を失う最大の原因は歯周病です。
今回は、歯周病について詳しく説明させていただきます!
歯周病とは?
歯周病とは歯茎を支えている骨が溶けてなくなる病気です。
歯周病菌に感染してその後発症することで起こります。
歯周病の症状
歯周病は「Silent disease」静かに進行する病気とも言われていて、見た目でわかる病気というよりは、気づいた時にはすでに進行してしまっていることも多い恐ろしい病気です。
・歯磨きの時に出血がある
・歯間ブラシやフロスを通すと歯茎が痛い
・歯がグラグラする
・口臭がするようになった
このような症状がある方は、歯周病治療が必要かもしれません。
はじめに起こる歯周病菌の感染
口の中には400〜600種類の細菌がいると言われています。そして、歯周病を悪化させる歯周病菌は、わかっているもので約30種類ほど存在します。
歯周病菌の中で最も悪さをすると言われているのがPG菌(ピージー菌)です。正式名称はPorphyromonas gingivalis ポルフィロモナス ジンジバリスと言います。
虫歯菌は、1歳半〜2歳半に最も感染しやすいと言われています。一方、PG菌は18歳以降に感染すると言われています。
虫歯菌も歯周病菌も唾液感染によりうつることがわかっています。子供にご飯を与える際に、フーフー息を吹きかけて冷ましたりするだけでもうつることがわかっていますので、注意が必要です。
PG菌の特徴
PG菌は、歯周病を予防するには最大の敵と言ってもいいかもしれません。そのため、PG菌の特徴を理解しておくと歯周病予防にとても役にたちます。
特徴その1 成人では、多くの人に存在している
先ほどPG菌は18歳以降に感染すると説明させていただきましたが、歯茎が健康な大人でも、半分以上の方に存在していると言われています。
多くの人が歯周病発症の危険性をもっていると言えますが、感染しても歯周病を発症していない人がいることから歯周病は予防できる!とも言えます。
そのため、現在歯周病が進行していてお悩みの方も、歯周病治療と歯周病予防を両立すれば進行を防げる可能性があります。
特徴その2 鉄分から栄養を得て増殖する
PG菌は、血液中の鉄分を好みます。
歯茎に炎症があると、露出した毛細血管から血液(鉄分)を常に供給できるため増殖、さらにはパワーアップ(病原性を高める)ことができます。
・歯磨き中に出血がある
・歯間ブラシやフロスを使うと歯茎が痛む
・歯周病検査で痛みがある
という方は要注意です。
特徴その3 酸素がある環境では生きていけない
虫歯菌は、酸素がある環境を好むため、歯の表面に付いた磨き残し(歯垢)の中で大繁殖します。
一方、PG菌は酸素がない環境を好むため、歯と歯茎のすき間にある歯周ポケットの中や厚くなった舌苔の中に潜みます。
歯周病感染から発症へと導く「リスク」
歯周病は、歯周病菌に感染していろいろな「リスク」をかかえると、やがて体の抵抗力が負けてしまって(免疫のバリアが崩れて)歯周病が発症します。
リスクその1 磨き残しが多い
歯を磨かなかったり、歯並びが悪い方は、磨き残しいわゆる歯垢に歯周病菌が繁殖しやすいと言われています。
歯垢が長く停滞して歯石に変わってしまうと、酸素が行き届きにくい絶好の場所となるため歯周病菌が増殖してしまいます。
リスクその2 若い頃から歯周病菌に感染する環境にいる
歯周病菌は、家族間や食べ物についた唾液による感染が報告されています。歯周病が進行している方には病原性の高いPG菌が多く存在しますので、家族や生活を共にする方で歯周病が進行している方がおられる場合は、注意が必要です。
リスクその3 タバコを吸う
タバコに含まれるニコチンなどの有害物質が、歯周組織(歯茎や骨)の破壊を促進します。
リスクその4 生活が不規則・ストレスを溜めやすい
精神の緊張状態は、体の抵抗力を弱めて歯周病を発症・進行させやすくなります。
リスクその5 口呼吸がある
口の中が乾くと、唾液による自浄作用がなくなって歯周病菌の活動性が高まります。夜中に口を開けて寝てしまうような方は、口閉じテープの使用がおすすめです。
リスクその6 糖尿病・肥満などがある
血糖値やBMI値が高い方は、歯周組織の炎症を引き起こし、歯周病が悪化します。日頃から規則正しい生活習慣を送ったり、通院中の方はしっかりと治療を行うことが重要です。
リスクその7 歯ぎしり・くいしばり・歯と歯を合わせる癖がある
夜間寝ている間に歯ぎしりをしたり食いしばったりしている方は、歯周組織の炎症が悪化する可能性があります。
歯ぎしりの原因はいまだによくわかっていません。そのため、
・歯ぎしり・くいしばりを指摘された
・夜中に音で目が覚めることがある
・朝起きると顎がだるい感じがする
という方は、歯ぎしり対策・くいしばり対策としてマウスピースを夜間に装着することをおすすめいたします。(当院にて保険で治療を行えます)
また、日中に歯と歯が当たることは通常、食事以外では起こりませんが、癖で噛み合わせてしまう方は注意が必要です。
パソコンを使用したり運転中に起こることが多いため、長時間の作業を仕事にされているかたはきづいたときに歯と歯を離す癖をつけましょう!
以上、7つのリスクを負わないように注意しましょう!
歯周病検査
歯周病は、早期治療・早期発見が非常に重要になります。そのため、定期的に歯周病検査を行うことがとてもとても重要です。
検査1 レントゲン撮影
レントゲン写真を行うことで、歯を支えている骨の吸収具合がわかります。
検査2 歯周ポケットの深さを計測
歯と歯茎のすき間の歯周ポケットと呼ばれる場所に、プローブと呼ばれる器具を入れることで1mm単位で計測することができます。
計測は軽い力で行いますので、健康な歯茎であれば痛くありません。しかし、歯茎に炎症があると痛みを伴うことがありますのでご了承下さい!
検査3 歯周ポケット計測の際の出血の有無を調べる
歯周ポケット計測時の出血は、上皮のバリアが破壊されているサインです。露出している毛細血管から歯周ポケット内に血液が常に供給されて、歯周病菌の栄養となり、病原性を高めてしまいます。
歯周病と今まで無縁だった若い成人の方は、歯茎からの出血が続くと、高病原性化により歯周病が発症してしまいます。
定期的な歯医者の受診で歯周病検査を行いましょう!
日本では、どの歯医者でも保険で治療を行えますのでご安心ください!
歯周病は発症するとみんな進行してしまうのか?
先ほど、歯周病菌(PG菌)はほとんどの成人の口の中に存在している、と説明しました。
では、発症するとみんな進行してしまうものなのでしょうか。
ここでわかりやすい論文をご紹介します。スリランカのとある村人を対象にした研究です。村人はみんな歯を磨く習慣がなく、歯科医院も存在しません。みんな同じ条件と環境の中で15年後どうなったと思いますか?
①対象者の11%は全く歯周病が進行しなかった
約10%ですが、体の抵抗力や免疫のバリアが強いと歯周病を発症しない方がいることがわかりました。
②対象者の8%は急速に進行した
村人みながほぼ同じ「リスク」を負っているにもかかわらず、40代ですべての歯を失った方もおられたようです。
③対象者の81%はゆっくりと進行した
村人の多くは15年にわたってゆっくりと歯周病が進行することがわかりました。
このことから、歯周病の進行には大きな個人差があることがわかります。
歯周病は、重症化するまで自覚症状があらわれにくい病気です。
歯周病予防で重要なこと
歯周病を予防するにあたって一番大事なことは、毎日歯磨きをしっかりと行うこと
その際に歯間ブラシやフロスを併用することです。
そして次に大事なことは、何も痛いところや自覚症状がなくても定期的に歯医者に通う
そして定期的に歯周病検査や歯石取りを行うことです。
後で後悔しないように、今日から歯周病予防を心がけていきましょう!
歯周病歯磨き粉
当院では、歯周病を予防する歯周病歯磨き粉 PG STOPをご用意しております。
ウコン由来の成分であるクルクミンが、病原性の高いPG菌の増殖・バイオフィルム形成を抑えるため、歯周病でお悩みの方はぜひ使用してみてください。なお、歯科専売品となっております。
ご興味ある方は、スタッフまでお声がけください!