歯医者でフッ素を塗ってもらおう!
- 歯のコラム
むし歯予防に有効な「フッ素」を歯の表面に直接作用させる方法には、以下の3つが挙げられます。
①歯磨き粉に含まれるフッ素の応用
②フッ素含有うがい液による洗口(せんこう)
③歯科医院での高濃度フッ素塗布
前回は、②フッ素含有うがい液による洗口について説明させていただきました。(詳しくはこちらから)
今回は、③歯科医院での高濃度フッ素塗布について説明させていただきます。
「歯科医院で塗布するフッ素は、家で使用するフッ素と同じもの」とお思いの方もおられるかもしれませんが、少し違います。
何が違うかというと・・・
フッ素濃度
です!
家で使用する歯磨き粉に含まれるフッ素濃度は、高くても1450ppm(数字が多いほど濃度が高い)です。
一方、当院で使用するフッ素は、
9000ppm
です!
圧倒的にフッ素濃度が違うため、より歯の強化を行うことができます。
歯をきれいに清掃した後に高濃度のフッ素を塗布すると、フッ素が歯の表面のエナメル質に結合します。
この結合は、歯磨き粉に含まれるフッ素での結合よりも強く、水や唾液にも溶けにくいため、数週間から数カ月は続くと言われています。
少し難しい話になりますが、この結合は少しずつ飲食物等の酸によって解かれ、フッ素が口の中に放出されます。しかし、この放出されたフッ素は他の歯に結合することで脱灰抑制と再石灰化の促進に貢献してくれるのです。
毎日の歯磨きやフッ素洗口でのフッ素供給に、歯科医院での定期的なフッ素塗布を合わせることで、よりむし歯予防効果が高まります。
次に、フッ素塗布の適応年齢について説明させていただきます。
歯科医院で使用するフッ素は濃度が高いため、年齢や体重に合わせて必要量を塗布する必要があります。
よく、「フッ素塗布は何歳からできるのですか?」と聞かれることがあります。
当院では、1歳半からの定期的な歯科検診を勧めておりますが、3〜4歳くらいまでは比較的低い濃度でのフッ素塗布を行います。それから徐々にフッ素濃度を上げて適応量塗布させていただいております。
塗布の頻度は、お口の中を拝見して、むし歯のリスクに応じて2ヶ月〜半年に一回行っております。
成人や高齢者の方でも、むし歯のリスクに応じて2ヶ月〜半年に一回の頻度で塗布を行っております。
なお、当院でのフッ素塗布は保険適応で行っております。
永久歯は替えが効きませんので、
- 歯磨き粉に含まれるフッ素の応用
- フッ素含有うがい液による洗口(せんこう)
- 歯科医院での高濃度フッ素塗布
この3つをうまく取り入れることでむし歯「ゼロ」を目指していきましょう!