むし歯予防にフッ素を取り入れる方法とは?
- 歯のコラム
前回は、「フッ素」の働きについて説明させていただきました。(詳しくはこちらから)
今回は、むし歯予防にフッ素を取り入れる方法について説明させていただきます。
むし歯予防としてフッ素を取り入れるには、大きく以下の2つの方法があります。
それは、
- 歯の表面に直接フッ素を作用させる方法
- フッ素を摂取する方法
です
まずは、歯の表面に直接フッ素を作用させる方法について説明させていただきます。
フッ素が歯の表面に作用することで、
- 歯の再石灰化の促進
- 歯の表面のエナメル質の強化
- むし歯の原因菌の活動の抑制
が起こります。(詳しくは、こちらから)
その具体的な方法としては、
- 歯磨き粉に含まれるフッ素の応用
- フッ素含有うがい液による洗口(せんこう)
- 歯科医院での高濃度フッ素塗布
が挙げられます。この3つをうまく取り入れることで、むし歯を様々な形で防ぐことができます。
次に、フッ素を摂取する方法について説明させていただきます。
フッ素は自然界に広く存在していて、普段の食事で気づかないうちに摂取しています。
摂取されたフッ素の一部は硬組織(歯や骨)に蓄積され、それにより、歯や骨を強くする働きがあります。フッ素は健康の維持に必要な栄養素の一つなのです。
こう聞くと、フッ素を体内に多く取り込んだ方が歯にはいいのでは?緑茶や紅茶には比較的フッ素が多く含まれているから毎日飲めばむし歯にいいのでは?とお思いの方もおられるかもしれません。
確かにフッ素の摂取は歯を強くする作用があります。しかし、子供の時期にフッ素の摂取量が多いと、生えてきた歯の表面のエナメル質に形成障害が起こることがあります。(歯のフッ素症)
一方大人の場合、歯の形成が終了しているためにその心配はありませんが、摂取したフッ素の90%以上が尿として排出されてしまうので、歯を強くするためにフッ素を摂取することは非効率と言えます。
よって、むし歯を予防するには、フッ素を含む飲食物を頑張って多く摂取するよりも、フッ素を歯の表面に直接作用させる方がとても有効だと言えます。
次回は、フッ素を歯の表面に直接作用させる上記の3つの方法について詳しく説明させていただこうと思います。