目指せ虫歯の治療ゼロ!虫歯の予防方法について!
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気づいたら大きな虫歯ができていた!
子供の大事な6歳臼歯が虫歯になってしまった!
虫歯を放置していたら痛みが出て、神経を抜く治療が必要になってしまった!
以前虫歯の治療をしたのに再発してしまった!ショック!・・・なんてことはありませんか?
毎日必死に歯を磨いてお菓子を我慢しているのに、虫歯になってしまう人もいれば、あまり歯を磨いていないのに虫歯にならない人もいます。どうしてなんでしょう?
できれば生涯虫歯ゼロ!もしくは、痛い思いをしたのでこれからもう二度と虫歯を作りたくない!という方も多いのではないでしょうか?
今回は、虫歯の予防方法について詳しく説明させていただきます。
虫歯の成り立ち
虫歯の予防方法を理解するには、まず、虫歯はどうやってできるのかについての理解が必要です。
お口の中にいる虫歯の原因菌は、歯に残った糖分を取り込んでネバネバした細菌の塊である「歯垢(しこう)」をつくります。
そして虫歯の原因菌が、歯垢から虫歯の原因となる酸をつくります。お口の中の酸性度が一定の濃度に達すると、歯の表面のエナメル質の一部が溶けて脱灰(だっかい)が起こります。
しかし、唾液で酸が洗い流されて唾液中の成分が脱灰した部分に戻って修復されます。これを再石灰化(さいせっかいか)と言います。
口の中では、この脱灰と再石灰化が繰り返し起こっています。脱灰は早く進みますが、再石灰化には時間がかかります。間食が多かったり磨き残しが多いと、脱灰が早いスピードで進んでしまいます。
脱灰が進むと、歯の表面のエナメル質の表層下が溶けて白濁して見えるようになります。これを初期虫歯(齲歯うしともいいます)といいます。
虫歯になる条件
次に虫歯になる条件についての理解も必要です。
虫歯は、
1.酸を作る虫歯の原因菌
2.酸に溶けやすい歯の質(酸への抵抗力)
3.細菌のエサとなる糖質(主に砂糖)
の3つの条件が重なって、「時間」が経過することでできてしまいます。
つまり、この上記のすべての条件をクリアできるようにすると、虫歯も予防できます。
虫歯予防① 虫歯の原因菌を減らす
丁寧な歯磨きを心がける
大きいストロークで磨いても細かい汚れは取れません。一本ずつ丁寧に優しく磨きましょう。歯ブラシは鉛筆を握るように用いると扱いやすいので、手のひらで握って磨いている方は、ぜひ鉛筆握りで磨いてみてください!
虫歯になりやすい歯と歯の間は、歯間ブラシやフロスを使用する
歯と歯の間の汚れは、歯ブラシだけ使用しても60%しか取り除くことはできません。歯ブラシと同時に歯間ブラシやデンタルフロスを併用すると、90%の汚れを取り除くことができます。普段歯ブラシしか使っていない方は、最低でも1日に1回は併用しましょう!
虫歯予防②歯の質を高める
フッ素が入った歯磨き粉を使用する
フッ素が含まれている歯磨き粉で歯を磨くと、歯の表面のエナメル質にフッ素が取り込まれることによって、エナメル質の主成分であるハイドロキシアパタイト結晶がよりいっそう安定したものになります。その結果、エナメル質が強化され、酸に対する抵抗性も向上するため、むし歯予防に非常に有効です。
最近では、歯磨き後に水で口をゆすいだ後に口の中に残るフッ素でもむし歯予防に効果がある!ということがわかってきました。しかし、水で何回もゆすいでしまうとせっかく歯磨き粉に含まれていたフッ素が失われてしまいますので、うがいは少量の水で一回だけにしましょう。
また、歯磨き後に洗口液でぐちゅぐちゅうがいをすると口の中のフッ素が洗い流れてしまうのでご注意ください!
次に、各年齢での歯磨き粉の選び方について説明させていただきます。
歯磨き嫌いを防ぐために生後4ヶ月頃からお口の中に触れる
歯は、生後6〜8カ月くらいで下の前歯から生えてきます。この頃から以下のような毛先の柔らかい乳児用歯ブラシで歯磨きを始めることをお勧めします。
ピジョン乳歯ブラシ
Ciベビー
そのため、生え始める前から唇を触ったり口の中の粘膜を触ったりすることで、慣れさせていきましょう。時期的には生後4ヶ月がおすすめです。お口の中に触れ始める時期が遅くなれば遅くなるほど、脳の発達によりお子さんが嫌がる可能性が高まります。
徐々に慣れてきたところで、乳児用の歯ブラシでちょんちょんと歯に触れるところから始めていきます。刺激に慣れてきたら1本ずつ歯を磨いていきます。強く嫌がれば一つ前に戻って無理せず行っていきましょう。
歯磨きにも慣れてきたら、いよいよフッ素入りの歯磨きジェルを使用しましょう。使用する目的としては、フッ素を歯に取り入れることよりは、今後の歯磨き粉を使った歯磨きへの準備と考えてもらうといいかと思います。
使用する歯磨きジェルですが、当院では、市販の「ピジョン ジェル状歯みがき」を2〜3mm(あずき粒大)歯ブラシにつけて磨いていただくことを勧めております。
ピジョン ジェル状歯みがき 100ppm
乳児は歯磨きジェル(フッ素)を飲み込んでしまうので、必ず乳児用のジェルを選ぶようにしましょう。乳児用の歯磨きジェルであれば100ppmというフッ素濃度なので毎食後使用しても全く問題ありません。
毎日あせらず無理せず少しずつステップを踏んでいく、時間をかけずにやさしく楽しく磨いてあげることがポイントかと思います。
1歳6ヶ月頃からうがいができるまで
1歳半くらいからは、お子さん自身で歯磨きジェル等は付けずに歯磨きを行ってもらいます。座って行ってもらい、転倒による事故が起きないようにしっかり見てあげましょう。
保護者による仕上げ磨きでは、1歳半から使用できる、市販の「ピジョン ジェル状歯磨きぷちキッズ」を2〜3mm(あずき粒大)歯ブラシにつけて磨いていただくことを勧めております。虫歯予防の観点からフッ素濃度が500ppmと少し高くなるため、使用量は必ず守ってください!
ピジョン ぷちキッズ 500ppm
どうしても歯ブラシを噛んでしまうので、仕上げ磨きには別の歯ブラシを必ず使用しましょう。
生まれてきた赤ちゃんのお口の中には、むし歯の原因菌は存在せず、1歳半〜2歳半くらいに保護者などの唾液から感染しやすくなってきます。この頃までに歯磨きやフッ素の使用に慣れていただくことを目標にするとよいかと思います。
うがいができるようになったら
3歳以降でうがいができるようになれば、お子さんご自身で以下のような子供用歯磨き粉を5mm程度歯ブラシにつけて磨いていただきます。フッ素濃度は950ppmと高いですが、うがいにより飲み込むリスクが低いため使用量は多くて問題ありません。
ライオン クリニカキッズ 950ppm
歯磨き中は、泡を吐き出さないことがとても重要なので、市販の歯磨き粉だとどうしても泡立ってしまうという場合は、歯磨き粉の量を減らしていただくか歯科医院専売の以下のような低発泡の歯磨き粉を使用しましょう。
ライオン チェックアップ 950ppm こどもハミガキガリガリ君 500ppm
※こどもハミガキガリガリ君はフッ素濃度500ppmとなっております。
6歳からは大人用歯磨き粉でOK
大人の歯が生え始める6歳くらいからはに入ってからは、大人用の高濃度フッ素が含まれた歯磨き粉を2cm程度歯ブラシにつけて磨きましょう。
ライオン クリニカアドバンテージ 1450ppm
グラクソスミスクライン シュミテクト 1450ppm
大人用の歯磨き粉には保存剤などが含まれており、苦味を感じるお子さんは、子供用の歯磨き粉をお使いください。
また、泡立ちが気になる方は、以下の歯科専売の低発泡の歯磨き粉をお選びください。
ライオン チェックアップスタンダード 1450ppm
保護者による仕上げ磨きは、小学校低学年までは毎日必ず行ってください。
6歳頃から奥に6歳臼歯と呼ばれる大人の歯(永久歯)が生えてきてむし歯になりやすいからです。成長して一人磨けるようになってきても突然やめるのではなく、毎日→2日に1回→週に1回などと徐々に頻度を減らしていきましょう。
そして、小学校6粘性までは週1回もしくは月1回続けましょう!
永久歯は替えがききません。この時期に歯の大切さや歯の磨き方をお子さんに伝えていくことが非常に重要です。
自分で責任持って磨くようになってから、中学になると12歳臼歯が生えたてで虫歯になりやすく、高校卒業頃には親知らずが生えたてで虫歯になりやすくなるため、常に油断はできません。
大人も高濃度フッ素の歯磨き粉を使う
大人になってからも、フッ素の応用はむし歯予防に有効で、高齢者でも有効なことがわかってきました。大人も歯磨き粉に含まれるフッ素を飲み込んで、副作用(歯のフッ素症)を起こす心配がないため、できるだけフッ素濃度(ppm)が高い歯磨き粉を小学生からと同様で、2cm程度歯ブラシにつけて磨いていただくことをお勧めします。
日本で現在認可されているフッ素濃度は1500ppmが上限であるため、濃度をチェックして購入・使用していただきたいと思います。
ライオン クリニカアドバンテージ 1450ppm
ライオン チェックアップスタンダード 1450ppm
歯磨き中の注意点
最後に歯磨きの際の注意点ですが、
- 毎食後歯を1本ずつ丁寧に磨く
- 歯磨きの途中で歯磨き粉を吐き出さない
- 歯磨き粉のうがいは少量の水で一回のみ
を徹底することで、効果的にフッ素が歯面に結合します。
歯科医院で定期的に高濃度フッ素塗布を行う
歯の質を高めるために、歯科医院でフッ素塗布を行うことは意外と知られていないですが、とても重要です。重要なことですので、また後日詳しく説明させていただきます。
虫歯予防③糖質(主に砂糖)摂取に気をつける
砂糖の入ったお菓子は控える
砂糖は虫歯の原因菌のエサとなります。できるだけ砂糖の入ったお菓子を食べる頻度そして量を減らすことが必要です。
虫歯予防④時間に気をつける
だらだらの飲食は控える・食べたら磨く習慣を身につける
お口の中は、唾液の力でほぼ中性に保たれていますが、食べている時間がとても長かったり間食が多いと、中性に戻りきらず酸性の時間が長くなり、歯の表面の結晶がより多く溶けて初期虫歯になってしまいます。
間食は1日1回が理想・多くても2回までにしましょう。また、食べたら早めに歯磨きをするようにしましょう。
虫歯予防⑤定期検診を受ける
虫歯がないか磨き残しがないかチェックを受ける・クリーニングを行う
初期虫歯は、徹底した虫歯予防で自然治癒することがありますが、おろそかにしていると冷たいものに少ししみる症状が出ることがあります。そして、そこから放置すると、エナメル質の奥の象牙質という組織まで虫歯が達してしまい、一気に虫歯の進行速度が早まります。見た目にも黒い虫歯となってきて熱いものにしみる、痛い等の症状も出てきます。場合によってはひどい虫歯になって神経抜く治療が必要になることもあります。
そのため、早期発見・早期治療が非常に重要です。
虫歯予防も行いつつ、万が一できたとしても小さい詰め物で済むと歯の寿命は伸びます。また、虫歯治療の費用も少なくて済みます。
健康な歯で食事が摂れるよう、毎日虫歯予防を行っていきましょう!!
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